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よろず屋の猫

夢の懸け橋...to おぼろさん

おめでとう!!、おぼろさん[emoji:v-314]
楽しくキャラ萌え、しっかり考察が売りの彼女のブログは、私も大ファンです。

おぼろさんはBLEACHの白哉の大ファン。[emoji:v-343][emoji:v-345]
(他にもいっぱいいるけどね[emoji:v-290])

そんなおぼろさんの為に、お話を一つ。
稚拙な文章ですが、プレゼントさせて頂きます。
お受け取り下さいませ。




『夢の懸け橋』

月が空の頂点から少しすべり落ちた頃、あの人は対岸の向こうからやって来る。
月光に照らされてあの人の髪飾りが光る。それを合図のように私はこちら側から橋に足を踏み出す。
そして橋の中央で私達は会う。

サラサラと水音だけが川から響く静かな時間。
夜風があの人の髪を優しくなでて通り過ぎる。
あの人の長い髪は夜よりも更に深い黒の絹糸の様、それがしんとした空気の中で踊る。
「寒くはないか。」と、あの人は羽織っている丹前を脱いで私の肩にかける。

私達は余り話さない、ただ二人並んで、あちらとこちらの懸け橋の真ん中で佇んで、月が西の山の合間にたどり着くのを眺めている。
あの人は私のことを知らない。
私もあの人のことをよくは知らない。
ただとても大事にしている人がいることだけは理解している。

ある夜、あの人が言う。
「彼女の幸せを見届けたら・・・。」
私は世界の果てまであなたを捜しに行こう。
この世の、いや違えた世界までもあまねく歩き回り、いつかあなたにたどり着こう。

そう告げるあなたの鋭角な横顔、嘘のない誓いで厳しい。
それがこちらを向いた拍子にふと崩れ、微笑みに変わる。
その笑顔は、けれど私の涙でにじんで、月の光の白さと区別がつかなくなる。

毎夜、夢の中で私達は会う。
あの人は私をおぼろ月夜と名づけ、そう呼ぶ。
私はあの人を白夜と呼ぶ。

私は今夜も眠りにつく。
あの橋の中央で、あの人と会うために。


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